2012年6月アーカイブ

ECG020:answer

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 ECG020:84才女性。12誘導の診断と、不整脈の診断は?
 CRBBBに、前壁中隔梗塞が合併しております。これはよしとして、胸部誘導の4番目の波形は?

*ノイズ?⇒V1,2はノイズに見えないこともないけど、V5.6ではその後にきちんと陰性T波もある。ノイズでは無く、きちんとした心室波形ですね。

*SVPC?⇒V5,6では、そう見えないこともない、narrow QRS様ですけど、V3,4は明らかにwide QRSです。さらに、V1,2では洞調律波形とQRSの極性が異なります。また、先行するP'波もありません。素直にPVCと考えましょう。

*でも RR間隔が、4拍目を無視すれば同じじゃない?⇒よって、間入性PVCとなります。確かに、代償性休止期を持たない間入性PVCは、やや珍しく、普通に研修医してても、なかなか遭遇しないかもしれません。でも、生理機能技師さんのように、毎日心電図を記録していると、けっこう見るもんです。

*診断できた時点で、大切な事は、単発のPVCも見ても、治療行動に移ってはいけないことです。抗不整脈薬の投与は、何の利益もありません、と云うか害です。CAST studyで、ググって下さい。

*心配ならば、動悸発作・眼前暗黒感の有無など聞いて、Holter-ECG施行の考えて下さい。

 この方は、整形外科入院中に院内発症しました。
 発症前の心電図が次です。

E0200172480684macs20100605

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 次は、発症直後の心電図です。
 超急性期のT波の先鋭化とST上昇が認められます。
E0200172480684wacs201006181056

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 もちろん、すぐに緊急のPCIを施行し、LADにSTENT挿入しました。
 治療後(発症後3時間後)の心電図が次です。
 胸部誘導のrSR'の r 波が消失しています。前壁中隔の梗塞だからですね。
E0200172480684wacspci201006181357

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 ECG020:84才女性。たった20回分の中で、すでに既出のパターンです。12誘導心電図診断は、大丈夫ですよね。では、この不整脈を、何と名付けましょうか?


E02001724806crbbbomilad_2

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ECG019:answer

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 ECG019:70才男性です。ごらんのように、心房粗動(AFL)の2:1伝導です。すぐに、おわかりの方は、ここまでで終了です。

 すぐに、おわかりにならなかった方のために。
 これは、common typeのAFLです。II, III, aVFに典型的なのこぎり波のF波があります。でも、QRSの中にひとつ隠れているので、RRに出ているF波を、P波と思いがちです。しかもST-T部分ともかぶる訳ですから。慣れると、これはF波にしか見えません、不思議ですけど。

 この心電図は、長く記録しており、別の部分を次に提示します。

E01900029215afl

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 慌てずに、ゆっくりと波形を見ていると、このように4:1伝導などで、F波がはっきりしてくる場面に遭遇することが、よくあります。AFLを疑ったら、数メートルくらい心電図を記録することをお勧めします。ATP静注で、強制的に房室伝導を抑制しながら、12誘導を記録するのも、一法です。但し、指導医の監視下でして下さいね。Full-stomachですると、大変ですよ。

【長めに記録するのも、不整脈診断では、大切な事が、よくあります!】

 次の心電図は、最初に記録した全波形です。
 その後、この患者さんは、もちろんカテーテルアブレーションを、して頂きました。


E01900029215afl12

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 ECG019:70才男性。一発診断を!心電図の見た目と異なり、外来で安定しています。治療依頼を行う時点でのECGです。
E01900029215afltachy

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ECG018:answer

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 68才男性の典型的前壁中隔梗塞の症例。V1-4がQS patternで、ST上昇が残り、心室瘤を示唆する。のですが、これに、つまずいている研修医もいるでしょう。
 『QSって云うけど、V1-2に、r 波が、あるじゃん???』
 お答えします。これはですね、

 【 QS pttern + small r wave】 なんですね!

 前下行枝の起始部に近いところが閉塞し、かなりの範囲が虚血壊死を起こしています。それで、V1-4はQS patternです。notchも認められ、正常心筋との境目で、いざこざが起きております。しかし、小さな側枝・中隔枝で残存した心筋が起電力を持っており、これが r 波として乗っかってきます。こう、考えると、素直に、前壁中隔梗塞と、受け入れられるでしょう。この説明は、厳密には、異論もあると思いますが、臨床的には矛盾無く便利ですので、ボクは使っております。
 なお、この現象を、

【RRWP:Reversed R Wave Progression】 と呼びます。PRWPよりはるかに虚血を示唆します。

 心エコーでは、広範囲前壁の運動障害を、呈していました。

 さて、2番目の心電図ですが、
(1). 頻脈である。もしかすると、AFL2:1伝導かもしれないが、今回はここ論じません。
(2). V1-5まで、QS patternに近くなっている。(small r 波はあります)

 虚血が拡がったのでしょうか?新たな心筋梗塞出現か?
 結果は、どうも違いました。
 次に示すように、また心電図はもとの形に戻っています。(2枚目より一週間後)

【胸部誘導は、電極の貼り方(場所)が、少しずれると形がかわることがある!】

 肢誘導は、手首でも肘関節でも、波形変動は起きません。
 胸部誘導は、単極誘導であり、設置点が数㎝ずれる・一肋間上下にずれると、大きく波形が変わることがあります。
 特に、虚血部位と正常心筋との境目にある電極では、このような電位のずれが出やすいです。
 CCUなどでは、電極部位を、マーキングしておいて、施行者ごとのずれを防いだりします。
 こんなこともあるんだと、覚えて置いて下さいね。

 2番目から一週間後の心電図


E01880029877v14qs20071101

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 ECG018:68才男性。LVEF=55%。下後壁以外の壁運動のみが正常です。


E01880029877v14qs20070913_2

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 さらに、頻脈時には、次のようになりました。(一ヶ月後です。)

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ECG017:answer

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 ECG017:73才男性。繰り返す心不全発作。
 R波の存在で考えるならば、(またはQ波の存在しないことで考えるならば)、たとえ虚血心だとしても、たいしたことなさそうです、か?
 ST-T変化もしっかりあり、R波高も、それなりにあります。III 誘導にQ波ありますが、電気軸の関係でよくあることです。
 心エコーでは、LVDd/Ds=63/56mm. LVEF=29%となっています。三枝病変で、再三PCIも行われています。自己摂生も、全然出来ておりません、残念ながら。

 三枝病変の場合、虚血が局所に固まらず、左室全体に散在するような分布となった場合、お互いの起電力(ベクトル)が、相殺し合って、Q波を作らないことがあります。こういう例に、運動負荷すると、がっく〜んと、ST低下します。(あぶないから、積極的にはしないでね)

 心不全が、現に発生していること。ST-T変化がほぼ全誘導にあること、心エコーでやっぱりDCM化していることから、心カテは必要だ、と考えます。
 この心電図から、虚血だ!と決められないけど、虚血の有無を調べる必要がある、と考えて下さい。

 ECG017:73才男性。心不全発作を繰り返しています。

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E016:answer

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 E016:72才男性。NYHAIII〜IVで、入院となった患者さんです。
 三枝病変で、心不全を呈しています。ぱっと見で、イヤな心電図だな〜、と思ってくれたらOKです。

 この心電図を、分解してみます。

(1). 洞調律です。P波有り。左房負荷とか、読み過ぎない。
(2). 完全右脚ブロックです。まずこれを、理解して下さい。派手に見える理由です。
(3). II, III, aVFに、ST上昇と、Q波がありR波との比率で、明らかに異常Q波です。下壁梗塞あり。
(4). V1-3は、ST上昇あり。I, aVLはST低下有り。なんか変。
(5). V2-6のTの陰性化は、CRBBBで説明しきれない。冠性T風にV2なんかに見えるし。

 深読みすると、虚血で左心機能の著名な低下があるかな〜、なんて思うけど、それは心エコーにお任せした方が、いいんですよね。この症例では、RCA totalにPCIが施行されています。

 上記のように分析してもいいけど、あくまで機能障害は推論です。
 なんか、大変だなこの左心室は、とさえ思えれば、総合診療的には、OKだと思います。
 後は、循環器屋さんに、全てお任せです。丸投げも、大切な決断です。

 心不全の増悪で、入院となっています。治療により、BNP=8058⇒1702pg/mLへ二週間で改善しています。安定後に、心カテしました。

E01605764047tvdchfcrbbb0914

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E015:answer

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 015:69才のOMIの患者さん。心不全を度々起こし、入院管理を繰り返しています。
 LADはすでにchronic total occulusion、RCAはLADへのjeoparadized-collateral(危機に瀕した側副血行路)となっています。つまりRCAが重度狭窄病変を持ちます。LcxもPCIを施行されています。
 三枝病変による虚血性慢性心不全の患者さんです。

 心電図を見てみます。
 V1-3 QS pattern。V4に異常Q波です。V1-4でST上昇を示します。いかにも陳旧性前壁中隔梗塞です。但し、V5,6、I, II, III, aVL, aVFにしっかりとしたR波があります。心室瘤の存在は想像に難くありませんが、臨床的心不全があるのか、ないのかは、推定しかありません。
 この症例では、頻脈傾向もなく、左房負荷像もありません。でも、心不全発作がバンバン起きています。

【Q波の数を数えても、心不全の重症度は判定できない。】

 患者さんに聞いてみるのが一番です。聴診器も使いつつでね。

 E015:69才のOMIの患者さん。さて、この患者さんの心機能を心電図から読み取れるか??

E01506958204omichfpci0827
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E014:answer

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 E014:胸部不快発作と冷汗を二日間がまんして、一般外来初診に来られました。見た目は、安定しています。意識もバイタルサインも、著変なし。
 これが、一般健診での心電図だったら、念のため、循環器受診して下さい、で済ませられるかも、しれません。でも、今回は、上記症状を伴っての来院です。当然、虚血発作を念頭において、評価・行動します。

 洞調律で、頻脈無く、房室伝導も正常です。見た目も安定してる。まず、一安心。
(1). V2-4の尖った陽性Tが、何を意味するのか?(後壁の冠性T波;ひっくり返しで見ている)
(2). III, aVFで、QS patternと二相性T、そしてややST上昇(⇒下壁の梗塞)
 あまりフレッシュなイメージではないけど、なにせ二日経過しているし。臨床所見とリンクして考えましょう。
 すぐに、心エコーとトロポニン-I (or T)。大至急!
 4音の聴取があれば、迷わずに、ERでのモニター監視下に切り替える。

 O先生は、指示を出しつつも、直感的にこの症例は、速やか対応が必要と判断し、行動しました。
 上記のような、理屈以前の判定です。陳旧性のMIでも、その空振りは、許されるのです。検査オーダーしつつ、循環器科へ、コンサルト(と云うよりバトンタッチ)されました。

 さて、研修医の先生方の場合、どう行動すべきでしょうか?それは、

【責任を一人でとらず、指導医とすぐに問題を分かち合い、行動する】

 です。のんびり一人で考えて、行動しないのも、患者さんのためです。

 CPK=1100mg/dL、TnI=21.17ng/mL、BNP=105.8pg/mLでした。
 亜急性期のACSとして、すぐにPCIとなりました。まだ症状ありますから。

 E014:74才男性、胸部不快感で一般外来へ来ました。
 一昨日からの、冷汗と胸部不快感でした。O先生のむちゃ忙しい初診外来でのことです。歩行来院です。

 E01406276195infomi0727

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E013:answer

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 E013:CPA蘇生しながらの搬入された50才男性です。
 STの著名な上昇を、I, II, aVL, aVFで認めます。胸部誘導になったところで、もうVTになってしまいました。幅の広い・波高も不安定な、今にもVfになって止まりそうなVTです。

【詳細に読むより、ぱっと見て、やばい!!と思えることが大事です。】

 この症例は、CPRしながら、PCPSを入れ・IABPを挿入して、PCIを行いました。Seg-6 total occlusionでした。以後、カンジダ敗血症なんかも起こしながら、なんとか出身地の病院へ転院させるまでに、到っております。

 このような症例に対して、研修医の反応は、2群に分けられます。
(1群):わ〜、どうしよう。なんでボクが当直の時に来たの。誰か、ヘルプして。。
(2群):(アドレナリン全開で)ボクはこの患者を助けるために、医師になったんだ、やるぞ!!
 この症例の当時の担当医は、2群に属しており、現在は心臓外科医になるための修行中です。

 回復後の心電図です。
 V1,2 II, III, aVFにわずかにR波があり、下後壁が少し生き残っているようです。
 見慣れないと、とても変な心電図です。


E01306997937ami0908am10

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 会議中に急に胸痛を訴え、倒れました。救急隊到着時CPAを確認。蘇生処置を行いつつ、Vf波形のため、2回DCを救急車内で施行しました。これは、ER搬入直後の心電図です。

E01306997937ami0903am10ater

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E012:answer

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 ちょっと、くらくらする、心電図かもしれません。沢山のファクターが入り乱れていますから。ちょっと冷静になって、整理整頓すると、
*Wide-QRSである。でも、あぶない感じではない(feelingです!)
*頻拍である。でも、regular rhythmである。150/min.くらい。
*P波があるような、ないような。
 これを、一つづつ理解していきましょう。

◎Wide-QRSは、よく見ると、CRBBBパターンである。だからあぶなく見えなかった。
◎脚ブロックの頻脈と、理解する。(NSR,Afib, それともAFL??)
◎その気で見ると、II, III, aVF は、のこぎり波だと、理解できる。
◎さらによく見ると、CRBBBのrSR`のr波がない。→前壁の虚血か?

 前壁中隔梗塞で、CRBBBの患者さんが、2:1ブロックの心房粗動を起こしている!!

【わかることの、積み重ねで、全体が理解できることもありそう】

 次の心電図は、洞調律化した後のものです。

E012afl01506778nsr150

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 ECG012:69才男性、ERにて。動悸発作で受診されている。意識は清明です。

E012afl0150677821150

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E011:answer

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 E011:69才女性。動悸・血圧低下でERを受診しています。
 頻拍性の心房細動であることは、明白ですね。但し、頻拍時のPafは、PSVTに思えることもあります。RR間隔が、本当に整か、不整か、じっくりと観察しましょう。じっとモニター見続けるか、長めに12誘導心電図を、記録するんですね。なお、ゆっくりと観察できるのは、意識が清明=血行動態が安定しているからです。
 さらに、著名なLVHがベースあることに、気付いて下さい。HCMベースなんですね。この方は、COPDが基礎にあるので、アミオダロンが使いにくいんです。(主治医がびびっているだけかも)

【心房細動のバックに、何があるのか、考えながら、判読して下さい】

 結局、いつもDC 200J一発で、洞調律化させています。除細動後の心電図が、次です。
 High voltageで、かつ Giant negative T (びっくりT)波があり、HCM以外は考えにくいです。


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 E011:69才女性。動悸・血圧低下でERを受診。
 年に数回、同じような状況となり、ER受診となっている。仰臥位では、意識も清明で、頻呼吸も幸いなく、酸素投与も不要である。じっとしていも、治らないので、結局救急車搬入となる。温和な老婦人。

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ECG010:answer

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 ECG010:62才男性 最初の心電図で、素直に心房細動と読んで下さい。
 *絶対的不整 と *P波の欠如 と云う必要条件と、f波の存在と云う十分条件を満たしています。
 (もちろん、CAVB時は、RR整ですけど。ジギタリス中毒で時に認めますね)
 次は、その7日後の心電図です。なんだか、f波が粗大になってきています。

E01006970401afib0607

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 その5週間後の心電図です。
 心房粗動化してしまいました。4:1伝導です。
 心房細動は、常に心房細動とは限りません。洞調律化もあります。Pafのことですね。
 特に、Ic群の抗不整脈薬を使用したりすると、心房粗動で固定されることがあり、【Ic-flutter】と呼ばれたりします。心房細動より、心房粗動の方が、交感神経興奮時に、1:1伝導→Vfなんてリスクがあります。Paf治療時に、保険として、β-blockerやverapamil,diltiazemを併用する考え方もあります。利益と不利益を、よく考えて、チョイスして下さい。
 Afib.がflutter化したら、どうするか?カテーテル・アブレーションすればいいんです。アブカテ屋さんは、喜んで治療して下さいますよ。


E01006970401afibafl0726

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 ECG010:62才男性 最初の心電図。リズムと心房の波形に、注目して下さいね。


E1006970401afib0531

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ECG009:answer

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ECG009:73才男性。胸部不快感、全身倦怠感で来た患者のERでの心電図でした。
 P波を認めない徐脈を呈しています。T波は、さほど高くありませんが、陽性に尖っています。「ハンカチかティッシュを、真ん中を指で挟んで持ち上げた感じ」と、ボクは表現しますが、わかって頂けますか?
 K=6.3mEq/Lでした。
 よく云われるように、この場合の治療は、(血清K値を治すのではなく)心電図を治します。やり方は、省略します。
 K=4.4mEq/Lに戻った後の心電図が、次です。P波も戻っています。
 推論ですが、この心電図では、T波の陰性もあります。そこから陽性T波に(高K血症のために)なったので、思ったより高くない尖りT波だったかも、しれません。教科書の典型例では、とんでもなく高いT波が載っていますが、現実にはいろんなケースが、あるんですね。


E00902867863followknormal0904

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 ECG009:73才男性。胸部不快感、全身倦怠感で、ERで対応した患者さんです。緊急的対応が必要な症例です。Multiple Risk Factorを持ち、多発性脳梗塞・狭心症・高血圧・認知症がある。心エコー上は、DCM-likeの状態でした。

E00902867863khigh0825

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ECG008:answer

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 ECG008:38才女性 健診の心電図で、何の症状もありません。

 細身の女性に多い、立位心の心電図です。
 電気軸が、真下を向いているので、I 誘導のR波がほとんどありません。
 代わりに、II, III, aVFのR波が立派です。aVR=aVLも、電気軸90°の所見ですね。
 胸部誘導の振れ幅は、V2,3が最大で、しだいに小さくなります。滴状心で、胸壁との距離がしだいに大きくなるためですね。
 これは、細身の女性の健康な(=正常な)心電図に、過ぎません。

 病気として、扱わないでね。

 ECG008:38才女性 健診の心電図。(もちろん、症状ありませんよ)

E0030567743438female

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ECG007:answer

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 ECG007:61才男性。安定外来管理中です。
 V1-2がQSとST上昇とT波後半陰転化である。V3-4で異常Q波が存在する。典型的前壁中隔梗塞である。
 似たような波形の心電図を、連続でUpしているのは、バリエーションを理解して欲しいのです。慣れない時は、ちょっとした差に、意味があるように、錯覚します。

【Qの広がりを、厳密に考えすぎない。】

 冠動脈の分布など、個人差がとても大きく、それが心電図上にも反映されます。まして、心電図は心筋の起電力の足し算に過ぎません。虚血の広がりは、おおざっぱに把握して、心エコーでその実態=動きの悪さ=を理解しましょう。PCI全盛の今は、心電図変化は、温和しくなりつつあります。どんな虚血との戦いのエピソードがあったのか、病歴は大切です。

 ECG007:61才男性。安定外来管理中の患者さんです。

E00701968865antseptalomiqs0827

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ECG006:answer

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 ECG006:56才男性で、ACSで緊急のPCIを施行している。
 次が、入院初日の心電図である。


E00606981419acs

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 V1-4のST上昇は著明で、I, aVLでのST上昇と、II, III, aVF でのST低下も明瞭で、明らかに急性期のACS心電図所見である。広範囲前壁と呼ぶべき状態で、緊急のPCIがなされている。

 以下が、この症例の経時的心電図変化の一覧である。
 I 誘導のR波は、一旦消失してから、Q波を残しつつも、再度出現している。V2-3のST上昇も、少し低下している。しかし、この症例での心エコー経過観察では、左室機能はEFで観ると、むしろ経時的に悪化を示してしまった。左室リモデリングを防げなかったかと、思われる。
 こういう事は、心電図だけも経時的に眺めていても、わからない。


E00606981419acs_2

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 ECG006:56才男性、心不全発症。急性心不全で入院となる。いろいろな加療を経て、この心電図は、第50病日くらいである。

E00606981419antseptaomi0906

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ECG005:answer

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 ECG005:78才女性。外来患者。ACSで、頻回のPCIを施行している。Ischemic-DCMの状態である。

 V1-3で明らかなQS波形とST上昇を示し、陳旧性の前壁梗塞を示唆する。II,III,aVFでの異常Q波とT波陰転化の存在は、同時に下壁梗塞の存在も示唆する。心不全を反復している。(内服・通院不良が原因である)
 baseは、三枝病変である。心エコー上は、後壁と心尖部と、二つの心室瘤を形成している。

 但し、この心電図から、心不全を読み取るのは、ちょっと無理。このような心電図でも、臨床的には、元気な方もいますから。自覚症状・臨床症状・身体所見、ついでにBNPの変動とも、相談して下さい。

 外来管理中の患者さんです。何度も入退院・加療を繰り返していますが、ADL自立です。

E00506019073ladrcaomi0906_2

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ECG004:answer

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 ECG004:陳旧性前壁中隔梗塞の患者さんで、十年来外来へ通っている。LADへのPCI(POBA)の施行歴がある。発症後の再発作は出現せずに、経過している。PRWPであるが、他に高電位はない。LVHによる電気軸の後方回転ではない。さらに、V4のQRSは、複雑である。心筋障害を示唆する。他の誘導にもnotchあり。
 この心電図で、病歴聴取なしに、OMIを決定できなくてもいい、と云うかやや無理筋。しかし、なんかへんだな〜、前壁元気がないのかな〜。聴診で IV 音ないかな?心エコーで壁運動観てみようかな?と思えれば、十分なんだと思います。

 ECG004:59才男性。外来患者さん。最初治療から、十年以上経過して、安定状況です。

E00402955173antseptalomiprwp0507

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ECG003:answer

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 ECG003:54才男性で、胸部不快感で、ERを受診している。
 たまたま、胸部誘導は、PVCによる二段脈となっている。Rule of bigeminy(二段脈の法則)と云うのがあり、一旦起きると、しゃっくりみたいに、なかなか止まらない。でも、危険性は少ない。
 但し、これはACSやジギタリス中毒ではない、場合のお話しです。
 よく見ると、洞調律波形でのT波陰転化がV2-6まで明らかである。午前5時にERで記録されている。
 入院後、ご本人の症状は消失し、経過は良好であった。
 次が、翌日(6時間後)の心電図である。
 T波の陰転化が明瞭である。前下行枝領域のACSか、たこつぼ心筋症を示唆する。それは、短時間でのT波の変化を伴うからである。Tn-I 0.03< → 0.08 への上昇を示した。ACSとして、緊急カテとなり、high lateralの病変であった。
 基礎に、高血圧・脂質異常症を持ち、近医で投薬を受けていた。

E00506942175myacs33

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ECG003:52才男性、胸部不快感で、ERを受診。2段脈あるも、緊急性無しとして、経過観察入院となる。ERでのトロポニン-I は、0.03以下であった。

E00406942175myacs13

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ECG002:answer

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 66才女性、安定状況・外来患者。
 CLBBBの典型的心電図である。Wide-QRSであることに気付けば、OK。前壁中隔梗塞と、間違えないでね。なお、CLBBB症例の多くは、なんらかの器質的心疾患を抱えている。治療介入が必要かは、また別ですけど。

 66才女性、安定状況・外来患者。


E00206879781clbbb66female

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ECG001:answer

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 いわゆるPsuedo-VTである。Wide-QRS tachy.にびっくりするが、よく見るとRR間隔は絶対的不整である。WPW症候群がAfib化したと考えると、素直に納得できる。ケント束を伝わった伝導は、でかいデルタ波みたいなもの。もちろん、緊急状態である。血圧が安定していれば、I 群抗不整脈薬のi.v.を検討する。ショックならば、すぐに除細動を行う。ジギタリスとCCBは、もちろんダメね。この症例は、 DC施行のため、鎮静剤静注中に、自然停止しました。
 発作停止時の心電図。洞調律化した後である。デルタ波が、よく見ると明らかである。

 【明らかなのに、見逃してしまうのが、デルタ波です。】

 半年に一回ほど、動悸を感じることがあったが、安静で改善するために、様子を見ていた。その持続時間は、4〜24時間といろいろであった、とのこと。
 「Psuedo-VTをみると不整脈専門医は、親の敵に出会ったように、治療を行うが、これを積極的に治療するようになったことで、生存率が上がったとのエビデンスは、日本ではない。」

E002wpw0312788518male


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18才男性、動悸 ERにて。意識は清明。数時間続く動悸で来院した。

E001wpw0312788518male

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ECGの提示と解説です、のんびりとした。

 蔵出しの心電図を使って、その解説をのんびりとしていきます。
 書物や他のwebsiteからの借り物は、使わないので、すぐにネタが尽きるかもしれません。
 ここの売りは(←変な云い方ですが)
*心電図が、大きいので見やすい。
*クリックで、拡大して参照できる。
*解説が、ぬるい。よく言えば、深読みしすぎてない。
*どこでも見るような心電図を、誰でも云うように、解説している。
 専門医には物足らず、初心者には少し不親切。総合診療部の医師で、独学で学ぶも、なかなか先に進めない。心電図ばっかり、勉強していられないし。。の中級(の入口にいる研修医)を、狙ってます、読者として。ここはもう物足らないな〜、と思えるようになったら、おめでとう、あなたは上級の入口に近づいているはずです。専門医の門を、トントンと叩いて下さいな。
 では、始めさせて頂きます。

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